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help リーダーに追加 RSS  本でたどるふるさとの原風景

<<   作成日時 : 2008/08/22 10:44   >>

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 ようやく新刊書「東北を歩く」(結城登美雄著、新宿書房発行、定価2000円)が届きました。
 本の帯に「この世には、あきらめてはならないことがある。失ってはならないものがある。」と、3号活字ほどの文字が並んでいる。ごもっともな表現であるが、当方は後半の「失ってはならないものがある」を念頭に、読むことにしました。
 目次を少しだけご紹介しましょう。
 1)厳冬の「塩の道」を行く(岩手県北上山地)
 2)失われゆく絆を求めて(岩手県久慈市)
 3)海と山のつきあい(岩手県野田村)
 4)山村から日本が見える(岩手県山形村)
 5)森の奥へ続く道(岩手県川井村)
 といった具合である。著者は東北6県のうち38の村や地域の模様を納めているが、なかでもご紹介した地域はなんとなく見覚えのある土地のようでもあり、ほっと和むものがあります。
 著者は、民俗研究家でフリーライターとして東北をくまなく歩きいろいろな形で記録してこられたようです。この本は2000年2月から2006年9月までに発表した作品を収録したものだそうです。発行に当たって著者は「はじめに」で「農林漁業にかかわらず時代を席巻する市場経済主義の影響はこれからも様々な人々を苦しめ続けていくにちがいない。とりわけ格差社会の矛盾を生きなければならない若い世代の人びとにとっては、何ともやりきれない時代と映るかもしれない。しかし本書に登場する人びとが控え目に示す自然に寄り添う生き方、暮らし方が、苦しい時代を生きる若い人の胸に届き、小さな希望の入口のひとつになってくれたらうれしい」と記しています。まったく同感です。
 きっと「塩の道」は、北三陸の海岸で作られた塩を、牛の背中に乗せて山を越え、日本海側の町や盛岡から江戸へと運ぶ、「ベコの道」とも呼ばれる地域の風景である。久慈は、毎月「8の日」に大勢の店が並び賑う、「町の日」の模様です。野田は、海藻を取り、山側の農家と物々交換する昔ながらの姿です。山形は、よく知られた5世帯20人弱のバッタリー村の紹介です。川井は、映画「タイマグラばあちゃん」(ばあちゃんは亡くなられた)で知られる、その時代といまです。読みながら、バッタリー村に行こうとか「タイマグラばあちゃん」の映画はどうすれば観賞できるのだろうかと考えました。
 もう一度、帯に「こんな時代にあっても、あせらず急がず、ふんばって生きる人びとの姿があった。そのゆるがない生き方の中にこそ、これからの生きる希望と地域再生のカギがある。」と書いてある。時計の針がゆっくり回転するふるさとの生活を「確信」しあう人びとが増えることを願っています。
 
 

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